コリスの進化


筆者は高学年と中学部のサイエンス分野のプログラム(選択制)を担当をしています。中学部のサイエンスは「The Collaborative  Institute of  Science」の略称「コリス」と呼んで、活動しています。コリスでは、プログラムを通じて、チームで協力して取り組む事と、うまくいかなくても次のアイデアを捻り出してチャレンジし続ける事を経験してほしいと思っています。サイエンス的な知識の習得よりもチャレンジの方に重点を置いています。私がコリスを担当し始めた3年半前から活動形態が進化し続けています。

最初の1年は、私がネタ(テーマ)も実施方法も考えて実施していました。

2年目の途中、中3だったSさんから当時の中学部スタッフのRさんに「卒業プロジェクトがらみで、コリスでやってみたい事があるんやけど」という相談があり、Rさんから私に「Sさんの相談に乗ってあげてください」という依頼を受けました。話し合いの中で、Sさん自身が、やりたい実験のやり方や器具を調べて、実施当日、プログラム選択者へやり方の説明もするという事になりました。私の立場は「私が思い付いた実験ではないので、その実験をやりたいSさんに任せる。でも、Sさんとは相談しながら、私がスタッフとしてするべきサポートをする。」というものでした。
このプログラムを実施した事が、Sさんにとっても、プログラム選択者にとっても、担当スタッフの私にとっても、新しい体験になりました。
Sさんは、少し引っ込み事案なところがあったけれど、やってみて「できるんや!」という感覚を持ったようです。
プログラム選択者は、クラスメイトのファシリで何かをやってみる事を経験して、「自分なら(ファシリとして)どうするか」、とか、「プログラム選択者として、ファシリのクラスメイトに協力するってどういう事か」、という問いを持つことができたと思います。
担当スタッフとしては、「出来るだけ手放しながら、場をホールドするとはどういう事か?」を考えるきっかけになりました。
このプログラムは好評で時間が足りず、2回続けて実施しました。

3年目(昨年度)、担当スタッフが2人になり、よりサポートを強化できるようになりました。
中学部のコリスは、年度初めに中学生にやりたい事を出してもらって、さらに、テーマ毎にファシリテーターを決めて、進めて行く事にしました。昨年は、年間5回のプログラムのうち、3回ぐらいは中学生のファシリテーターが主体となってやれたと思います。

今年度は、中学生主体のシステムの2年目です。
コリスは既に3回実施しましたが、昨年度よりずっと中学生ファシリテーターが進化しています。ファシリテーターがしっかり準備をしないと本番を迎えられないテーマばかりでしたが、予備実験をしたり、プログラム選択者と一緒に、前もって、器具や道具を作ったりと、担当スタッフの予想以上にコリスの場を活かして、体験を積んでくれています。

これから、コリスがどのように進化していくのか、とても楽しみです♪(NY)